いよいよ2020年がスタートしました。
2017年はオルフェーヴル、ロードカナロアといった注目種牡馬の産駒がデビューしたものの
2018年はジャスタウェイなどやや小ぶりな印象。
昨年の2019年はキズナやエピファネイアの産駒が出走して
2歳戦を賑わしてくれました。
2020年新種牡馬のメンツを見てみると
2017年以来、期待できる種牡馬が揃っているかなぁ
という感じを受けます。
注目度は高いですよ。
そんな2020年、新種牡馬の特徴と適性を分析していきたいと思います。
今回取り上げるのは、2020年新種牡馬の中で最も実績があり期待されている種牡馬
モーリス です。
モーリスは3歳までは振るいませんでしたが
4歳に長期休み明けを復活してからは無双モード
条件戦を連勝して、ダービー卿チャレンジトロフィーを圧勝すると
トータル7連勝で安田記念、マイルチャンピオンシップ、
香港マイル、チャンピオンズマイル(香港)とGIを4連勝
その後も香港カップ、天皇賞秋を制してGI6勝と
絶頂時に引退したスーパーホースです。
今回は現役時代のモーリスの走りと照らし合わせてうえで
分析して産駒の特徴を挙げていきたいと思います。
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2020年にデビューを予定している他の種牡馬の産駒特徴については以下から確認して下さい。
< はじめに >
一つお断りしておきたいのですが
種牡馬の特徴というと血統に深く入り込んで話をする形が多く見受けられますが
ここでは血統という要素を極力減らして
モーリスという1頭の馬の個性・特徴から産駒の個性を分析しています。
そのような形にした理由は2つあります。
・血統に詳しくない人にも分かりやすく説明をするため
「競馬は血のロマン」という言葉があるように血統は競馬の魅力の一つですが
奥が深いがゆえに、初心者には入りづらいという面があります。
競馬は楽しんでなんぼだと思っていますので「血統分からない奴は予想をするな」
というような排他的な考えは持ちたくなかったので、個性を中心に分析をして
全員が分かるような形で分析を行っています。
・血統のみの分析によるミスマッチを防ぐため
サンデー系の種牡馬が席巻している日本競馬界において
同じ血統や似たような血統は多数存在します。
例えば、ディープインパクトとブラックタイドは父も母も同じなので、
血統面からいえば全く同じ適性の産駒が誕生するはずですが、
実際の産駒特徴は全く異なります。
それはディープインパクトとブラックタイドが全く違う能力で
違う適性を持っているからに他ならないのですが、
血統だけで分析を行うとそういった点を見過ごす可能性が高くなります。
そういった事を防ぐため、ここでは個の特徴を中心にお話をしています。
血統に特化した分析を聞きたいという方は他の方が行っている分析を聞くことをオススメします。
それでは、分析をはじめていきます。
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< 競馬場、馬場について >
まずはモーリスが現役時代にどの競馬場が得意だったのか?
そして、重馬場は得意だったのか?不得意だったのか?
という点について分析をしていきたいと思います。
モーリスの現役時代の競馬場別成績を見てみると
右回り 【6.1.1.3】
左回り 【2.1.0.1】
東京 【2.1.0.1】
中山 【3.0.0.1】
阪神 【1.0.0.0】
京都 【2.0.1.2】
札幌 【1.0.0.0】
海外 【3.0.0.1】
成績を見ると右回りと左回りで
同じぐらいのアベレージに見えますが
成績の推移を走りの内容を見ると
本格化してからはどの競馬場でも走っており
“競馬場不問の万能タイプ”
である事が分かります。
モーリスのベストレースは?
と聞かれると、なかなか答えるのが難しいと思います。
ただ、私は2015年のダービー卿チャレンジトロフィーだと思っています。
道中は15番手付近という中山の芝コースでは絶望的な位置にいながらも
直線で末脚を爆発させて3馬身差の圧勝
卓越したパワーを見せつけたレースだと言えますね。
産駒にも、モーリスのこの傾向は引き継がれそうです。
高い能力とパワーを活かせる競馬場
中山競馬場を得意とする馬が多くなりそうですね。
ただ、現役時代は京都や東京でも高いパフォーマンスを発揮したので
取り立てて苦手な舞台もなさそうです。
この傾向は産駒にも引き継がれそうなので
競馬場毎に狙いを変えるのはそれほど効果がなさそうです
馬券的には予想しづらいタイプの部類になりそうですね。
馬場に関しても話をしていきます。
モーリスが現役時代に重馬場以下の条件でレースをしたのは0回
出走経験がないのでサンプルはないのですが
父親のスクリーンヒーローの産駒成績を見てみると
不良馬場での複勝率が40%を超え、
複勝回収率も100%を超えているので
重馬場はこなせる血統だと判断して良いと思います。
少なくとも
重馬場での戦力ダウンはない
と、考えた方が良さそうです。
< 距離について >
モーリスが活躍したのは短中距離(1600m~2000m)でした。
こちらもまずは距離別成績から見ていきましょう。
1600m以下 【8.1.0.2】
1800~2000m 【3.1.1.1】
2200m~2400m 【0.0.0.1】
2500m以上 【0.0.0.0】
距離別の成績を見ると多少ムラがあるように感じますが
モーリスが本格化した若潮賞からは
全成績が【9.2.0.0】
と、舞台・距離を問わず完璧な成績を残しています。
ですので、短中距離全般で強い
と言えそうですね。
< 性格、気性面について >
モーリスはパワーと全体的な能力の高さを武器に
どんなコースでも力を発揮してきた、という話をしてきましたが、
気性や性格についてはどのような傾向があるのでしょうか?
モーリスの成績を見てみると
本格化前は凡走をしていましたが、
本格化してからは海外を含むどんな競馬でも
常に安定したパフォーマンスを見せており
“常に自分の能力を100%出し切る前向きな気性”
を持った馬だと言えます。
そして、安田記念2015でも競り合いで負けなかったように
“勝負根性も持っている馬”
だとも言えますね。
この「走ることに前向きで勝負根性がある気性」は
産駒へも継承されそうです。
競走馬のタイプとして
走ることに前向きな馬は、成績が安定して
気持ちが淡白な馬は、成績が不安定になる
全体的に上記のような傾向になりますが
前向きな気性と強い根性を併せ持つモーリスの子供は
どんな条件でも自分のパフォーマンスを見せてくれそうです。
< 成長曲線について >
モーリスは2歳秋にデビューして
5歳の12月で引退をした馬です。
何度も話していますが、3歳時は成績が全く安定せず
4歳から一気に能力を開放したことからも
成長曲線は「晩成型」であると言えます。
モーリスの父親であるスクリーンヒーローも
古馬になってからハイパフォーマンスを見せていたように
「晩成型の血脈」は色濃く受け継がれていそうですね。
長い休み明けで出走してきた場合は狙えそうです。
< まとめ >
モーリスは総合力の高い馬だったので
どんな競馬場でも活躍した馬です。
産駒にもその傾向は受け継がれそうで
得意なコースと不得意なコースの差はなさそうです。
適性距離は1600~2000m
スクリーンヒーロー産駒も短距離馬を出しているので
2000m以下で中距離馬が多く誕生することが期待されます。
前向きな気性を持ち合ちながら、根性もあるモーリスなので
安定した走りを見せてくれそうですし
GIで活躍するような大物も出現することが期待されます。
また、晩成型で古馬になってからの活躍が期待できることからも
モーリス産駒はリーディング上位に食い込む可能性は十分にあります。
「晩成」「短中距離」「安定感あり」
というキーワードが並んでいますが
馬券的には攻略が難しそうな種牡馬になりそうです。
産駒の活躍が楽しみですね。
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