ステイゴールド産駒を様々な角度から分析し、
産駒の特徴や重馬場適性やどの競馬場が一番得意なのか
またどういった条件だと強く、どういった条件だと弱いのか、を徹底的に分析しています。
現在競馬界と切っても切れない存在
それは「ステイゴールド産駒」です。
ステイゴールド産駒はコンスタントに活躍している訳ではありませんが
サンデーサイレンス系種牡馬の中でも超大物を輩出する事にかけては
ステイゴールドの横に並ぶものはいません。
凱旋門賞2年連続2着でGI6勝の3冠馬オルフェーヴルや
GI6勝の芦毛の怪物ゴールドシップ
を輩出しており、これ以上の実績を持った馬(特に牡馬)は
サンデー系の種牡馬からは誕生していません。
上記スーパーホース2頭以外にも
凱旋門賞2着のナカヤマフェスタ、グランプリ制覇のドリームジャーニー
などがおり、GI・重賞戦線を予想する上でステゴ産駒は欠かせません。
一方、これだけの名馬を輩出しておきながら、ステイゴールド産駒全体の成績は
思ったよりも振るいません。
リーディングサイアーランキング(賞金別)
2015年 5位
2014年 8位
2013年 6位
2012年 3位
2011年 4位
オルフェーヴルやゴールドシップなど多くの賞金を稼ぐ馬がいたうえで、
この順位なので、実質はもう少しランキングが下だという事が分かります。
なぜ、ステイゴールド産駒はこれだけ当たりはずれの大きいのでしょうか?
その原因はステイゴールド産駒の特徴(個性)にあります。
ここではステイゴールド産駒が持っている特徴を徹底的に洗った上で
重賞などの大舞台で見せるステイゴールド産駒特有の現象についても
分析を進めていきたいと思います。
ここではステイゴールド産駒を様々な角度から分析し、ステゴ産駒の光と影の部分
つまり、どういった条件だと強く、どういった条件だと弱いのか、を徹底的に分析しています。
今まで、ステイゴールド産駒という事を意識しないで馬券を買っていた人や
血統が苦手で種牡馬とか考えるのが面倒くさい
というような苦手意識を持っている人には是非読んで頂き、
今後の予想に役立てて貰えたらと思います。
ここではステイゴールド産駒を徹底分析するため
過去のデータを数多く利用しています。
データに関しては、競馬予想の実践として使えるように古すぎないデータを使用していますが
新しすぎるデータだと母数が少なく、データとしての信頼性に欠けるので
「2014年1月1日~2016年6月30日」のデータを使用しています。
リーディング上位種牡馬、新種牡馬など
種牡馬全体の評価・分析はこちらのページに載せていますので
以下をクリックして確認して下さい。
リーディング上位種牡馬、新種牡馬などJRA種牡馬の特徴はコチラ
全体的に好走率の悪いステイゴールド産駒
ここからいよいよ本題に入ります。
最初はステイゴールド産駒の基本的な知識について話をしていきたいと思います。
お話をする前に、まずはステイゴールド産駒全体の成績を見てみましょう。
毎年リーディングサイアーランキング1,2位を争っている
ディープインパクト、キングカメハメハは別格としても
3位争いをしているダイワメジャーやハーツクライと比較しても
勝率・連対率・複勝率は低い数字を残しています。
最初にお話をしましたが、リーディング上位の種牡馬としてはコンスタントに走る馬を出せない
というのは数字からも表れています。
また、ダートでの走りを非常に苦手としています。
複勝回収率62%は極めて低い数値なので、
「ステイゴールド産駒は芝」という事が分かります。
今度は単勝50倍以下の馬でデータを集計してみます。
こちらもリーディング上位の種牡馬と比較すると好走率は振るいません。
ただ、これだけ好走率が劣る中で毎年3位争いをしているという事は
「ステイゴールド産駒には強い馬と弱い馬がハッキリと分かれる」
という事を証明しています。
もう一つの特徴は「回収率の低さ」です。
単勝・複勝の平均回収率は80%ですので、
抜けて成績の悪いダートだけでなく、芝での成績が悪い点も見逃せません。
強い馬と弱い馬が分かれていて、全体的に回収率の低い訳ですから
「ステイゴールド産駒は馬券に活用しづらい種牡馬である」
という事を最初に抑えておきましょう。
ステイゴールド産駒の基本特性
前章では、ステイゴールド産駒の全体評について話をしましたが
ここではステイゴールド産駒が持っている基本的な適性について
お話をしていきたいと思います。
前章でお話しした通り、ダートでは全体的に弱さを見せているので
芝だけに焦点を当てて調べていきたいと思います。
1.成長力があり、長い期間活躍できる
競走馬の成長過程として「早熟」「平均」「晩成」とタイプが分かれていますが
ステイゴールド産駒は「晩成」タイプにあたります。
最初に年齢別の成績を見て下さい。
芝の成績を見てみると2,3歳までは成績が低迷しているものの
4,5歳になるに連れて全ての好走率が上昇しています。
現役時代のステイゴールドも頭角を現したのは3歳の秋、菊花賞あたりからで
その後は重賞・GI戦線で長い間、活躍をしました。
産駒もステイゴールド同様に徐々に力をつけていき4,5歳で
本領を発揮するという事でしょう。
6歳以降はどの種牡馬でもガクンと数値が落ちていくので
参考にする必要はないと考えると、年を取るに連れてパフォーマンスを上げていく
晩成タイプの種牡馬であるという事が言えます。
「2歳>3歳>4歳>5歳」という成績分布がなされている
早熟タイプのディープインパクト産駒とは対照的ですね。
ちなみに単勝50倍以下の馬で見てみると3歳の数値も少し改善する
という事は覚えておいて損はありません。
2.長距離戦に強く、距離は長ければ長い方が良い
ステイゴールドの代表的な産駒は長距離戦で活躍していましたが
実際にどの距離に強いのか、距離別の成績を見てみたいと思います。
1400m以下は特に苦手としていて複勝率は15%前後です。
逆に2200m以上の成績を見てみると、複勝率が25%強、
勝率も距離が伸びれば伸びるほど上がっており
「ステイゴールド産駒は短距離に弱く、距離が伸びれば伸びるほど強い」
と結論づけることが出来ます。
また、1600m・2000m・2400mのクラシックディスタンスよりも
1800mや2200mなどの非根幹距離の数値の方が良いことも特徴の一つです。
これはスピードなどの絶対的な能力で勝負するよりも
立ち回りや機動力などで勝負した方が有利であるという事を示しています。
単勝50倍以下の馬でも傾向は変わりませんが、
長距離戦となると複勝率30%を超え
より一層強さを見せるという事は覚えておきたいポイントですね。
3.馬場悪化は苦にならず、不良馬場は得意
次にステイゴールド産駒の馬場適性について見てみたいと思います。
ステイゴールド産駒の馬場別成績を見てみると
若干の誤差はあるものの良馬場と稍重・重馬場の成績は大差がありません。
その中でも目を引くのが不良馬場での成績です。
母数が少ないので、断定するには弱い点はありますが
不良馬場の日本ダービーで後続に圧倒的な差をつけたオルフェーヴルや
同じく不良馬場の日本ダービーで1頭だけもの凄い脚で直線を追い込んできたナカヤマフェスタ
不良馬場の札幌2歳Sで牡馬を倒したレッドリヴェール
などを見ていると不良馬場の成績の良さには納得が出来ますし
馬場の重いロンシャン競馬場で2着を3回記録している点からも
パワーに優れており、力の勝負になった方が本領を発揮出来るという事が分かります。
また、馬場が悪くなってくると気持ちの勝負になります。
馬場が悪化しても成績を残せるあたりはステイゴールド産駒が持っている闘志
気持ちの強さを証明しているとも言えます。
この傾向も単勝50倍以下の馬で絞っても傾向は変わりません。
4.全体的にスケールが小さく、GI級の馬は少ない
超大物の名馬を輩出しているステイゴールドですが
実はGI1勝レベルの馬を生みだせていない現状があります。
その現状を裏付けるのが、クラス別の成績です。
GIでの成績は複勝率15.7%と一番低く、
単複の回収率も著しく低いという結果が出ています。
オルフェーヴルやゴールドシップは別格で、基本的にステイゴールド産駒は
スケールが小さくGIを勝つまでの能力を持っていない馬がほとんどです。
逆にG3での成績は良好です。
GIへは手が届かなくても、能力が開花してピークになると
G3を勝つまでの力に達するレベルにあるということが分かります。
また、新馬戦、未勝利戦の成績が良くない点も目を引きます。
年齢別の成績で話をしましたが、ステイゴールドは晩成タイプの種牡馬
新馬戦でいきなり勝つような馬は多くないですし
未勝利戦も何戦か叩いて、成長曲線が上がってくると同時に勝ち上がる。
そんな馬が多い事が分かります。
ちなみに単勝50倍以下の馬でデータを取ってみると
この傾向は少し緩やかになってきます。
5.スピードや瞬発力を求められる競馬場に弱い
これまでステイゴールド産駒についていくつか話をしてきましたが
大きな特徴が分かってきました。
その中でも
「パワー」が持ち味で、スピード勝負になると弱いという点
機動力があり、小回りコースでも十分に戦えるという点
この2点が得意な競馬場、苦手な競馬場に大きく影響しています。
ここで競馬場別の成績を見てみましょう。
パワーが必要で小回りのコースというと中山競馬場が連想されますが
案の定、ステイゴールド産駒は中山競馬場では好成績を残しています。
複勝回収率も80%を超えており、ステゴ産駒には最も適した舞台だと言えるでしょう。
逆にスピード勝負、瞬発力勝負になりやすい京都と阪神での成績は良くありません。
複勝率は共に20%を切っており、ステゴ産駒には向かない舞台だと言えるでしょう。
一点注意が必要なのは苦手な阪神競馬場でも小回りコースなら
特段減点をする必要がないという点です。
前述したGIホース4頭全てが勝っている宝塚記念は阪神芝2200m
このコースは、小回りコースとなるので、ステゴ産駒持ち前のパワーが活かせる
流れになる事が多いので、十分に好走できます。
力の要る洋芝も得意なので、札幌、函館の好走率も高いですが
小回りながらも平坦コースである福島・小倉は若干好走率が下がってきます。
逆にスタミナ・体力を要する中京競馬場では苦戦傾向にあります。
単勝50倍以下の馬でデータを取り直しても全体の傾向は変わりません。
6.使い詰めた時の成績が良く、休み明けの成績は悪い
ステイゴールド産駒はパワーがあり、小回りコースが得意という事は
これまでのデータから分かったことですが
体の強さについての検証もしてみたいと思います。
以下は前走からの間隔別成績となっています。
中1週、中2週、中3週でレースに挑んでいる馬が複勝率24%を超える
高いアベレージを見せています。
対して中9~24週で挑んだ馬は複勝率16.6%
半年以上休み明けで出走した馬は複勝率11.9%
とかなり低い成績を残しています。
ステイゴールド産駒は
「使い詰めの時の成績が良く、休み明けの成績が悪い」
と結論づける事が出来ますが、なぜこれほどまでに極端な成績分布になっているのか?
それはステイゴールド産駒が持っている気性が原因です。
オルフェーヴルが新馬戦で勝利した後に騎手を振り落とした事や
阪神大賞典で逸走したことなどは気性の激しさが原因です。
一方、もう1頭のスターホースであるゴールドシップは
宝塚記念で大出遅れを犯したり、あれだけの力を持ちながら
東京や京都でのレースで2桁着順の大敗をしていたりと、気難しい面を持っていました。
競馬予想の鉄則に
「気性難の馬は休み明けに弱い」
というものがありますが、まさにステイゴールド産駒は上の鉄則通りの
成績を残していると言えます。
もう一つの要因としては
「ステイゴールド産駒にパワー型が多い」
という事も挙げられます。
故障しやすい競走馬というのは総じてスピード能力の高い馬が多いです。
しかし、ステイゴールド産駒はスピードよりもパワーに特化した馬が多いため
故障するリスクが少なく、丈夫な馬が多いという特徴があるのですが
スピード能力が足りないために間隔を空けるとスピード負けしてしまう。
つまり、もともと足りないスピード能力がフルに発揮できない
という状況に陥ってしまうため、休み明けが弱いという成績に繋がっています。
ステイゴールド産駒が最も力を発揮するのは中1~3週のレースを使っている時である
という事を覚えておきましょう。
7.集中力のない馬など気性的な難点を抱えている馬が多い
先ほどのレース間隔別の成績で、ステイゴールド産駒は気性難を抱えている馬が多い
という事をお話ししましたが、それを立証するデータがあります。
それはブリンカー着用時における成績です。
早速成績を見てみてみると、以下の形になっています。
ブリンカー未使用時の成績が21.7%に対して
ブリンカー着用時の成績が27.8%
通常、ブリンカーをつけない方が成績の高い種牡馬が多い中で
これだけブリンカー着用時の成績がいい馬は稀です。
ステイゴールドから受け継いだ有り余る「気性の荒さ」
着用していない時の方が率としての成績は良くなるのですが、
ブリンカーを着用すると回収率が上がります。
特にブリンカー着用を止めた馬の成績の低さは特注レベルです。
キングカメハメハ産駒におけるブリンカーの有効性を確認すると同時に
産駒が持っている気性面の危うさについてもしっかりと認識しておく必要があります。
ちなみにダートでも同じ傾向を見せています。
さて、ここまではステイゴールド産駒に関する
基本的な特性についてお話をしてきました。
ここで今まで話した事をまとめたいと思います。
まとめ
ステイゴールド産駒は…
・成長力があり、長い期間活躍できる
・長距離戦に強く、距離は長ければ長い方が良い
・馬場悪化は苦にならず、不良馬場は得意
・全体的にスケールが小さく、GI級の馬は少ない
・スピードや瞬発力を求められる競馬場に弱い
・使い詰めた時の成績が良く、休み明けの成績は悪い
・集中力のない馬など気性的な難点を抱えている馬が多い
今回の話とは別に馬券の回収率を上げるための方法は
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