先日、勝間和代さんが書いた
「会社に人生を預けるな」
という本を読みました。
書いてある内容はざっくりいうと
日本の終身雇用制度が生んだ悪影響について語っている本でした。
内容を見てみるとかなり納得の出来る事が多かったので
皆さんにシェアしたいと思います。
日本の終身雇用制度というのはデメリットだけでなく当然メリットもあります。
(本の中ではメリットはほとんど書いてありませんでしたが)
最初にメリットを挙げていきましょう。
・クビになる心配がないので、安心して働ける
・ずっと同じ会社で働くので、培ったスキルを十分に発揮できる
・会社と個人の繋がりが深くなるため愛社精神が生まれやすい。
大きく見ると、この3つです。
特にクビになる心配がないというのは働き手にとって安心に感じることで
自分達の周りで外資系企業に勤めている人がいる、という事を聞くと
「よくそんなに危なっかしいところで働けるなぁ」
と、ほとんどの日本人が思うことでしょう。
これが長年、終身雇用制度の中で生きてきた日本人の価値観です。
この制度は正しい、この制度がずっと続いてほしいと
多くの人が思っている訳ですが
この終身雇用制度のデメリットについても挙げてみたいと思います。
1点目のデメリットは「長時間労働を強いられる」ということ
先ほど話したように個人がこの会社で一生勤めなきゃいけない
と思っている訳ですから、多少酷い扱いを受けても辞めません。
私生活に支障が出たり、健康に支障が出ようが
「会社を辞められない」という事を
人質に取られている訳ですからお構いなしです。
終身雇用制度は過酷な労働を強いるための絶好の制度だという事が言えます。
2点目のデメリットは「給料が上がらない」という点です。
終身雇用制度下では社員は一生その会社に勤めたい訳ですから
給料が上がらなくても辞めません。
給料に不満を言おうものなら、「もっと待遇のいいところで働けば?」
といえばそれで終わり、一発で黙らせる事が出来ます。
終身雇用制度は会社が絶対的な強者で社員は絶対的な弱者となります。
3点目のデメリットは「自分に合わない仕事でもやらなくてはいけない」という事です。
人には色々な適性があります。
営業が得意な人が事務仕事をやっても上手くいかないでしょうし
黙って一つの事をやり続ける人が全体を見るような仕事をしたら
ほとんどの場合は上手くいきません。
もしそんな状態になったとしたら
本来であればその仕事を辞めて別の仕事につけば良いわけですが
日本は終身雇用が常識なので、一度辞めたら経歴に傷がつき
再就職がかなり不利になるため、その選択肢を選べません。
結果、合わない仕事をやって辛い思いをし続けなくてはいけない
という状態になります。
代表的なデメリットはこんなところです。
メリットとデメリットをまとめると
終身雇用制度により安定した収入を得られる一方
辛く苦しい人生を生きていかなければならない
という感じになります。
日本は先進国の中で平均所得が多い国ですが
自殺率や幸福度のランキングを見ると
先進国の中でも後ろから数えた方が早い国である。
という事実が日本の終身雇用の現状を良く表しています。
そうは言ってもある程度の収入を得られるから良いのではないか
という見方も当然ありますが、近年のグローバル化において
終身雇用制度は危機を迎えつつあります。
それは何かというと
「会社が何十年も存続することが危うくなってしまった」
という事です。
科学やネットワークが目覚ましい進歩を遂げる中
今まで日本の中で戦えば良かったものが世界と戦わなくてはいけない。
人間は自分の何十倍もの能力を持つ機械と争わなくてはいけない。
といった過酷な競争にさらされるようになってきました。
2,30年前は日本の根幹となっていた大企業達は
収益を伸ばせずリストラをしながらなんとか生き残っている状態
もっと酷くなると海外に買収されたり、一部を解体して分社化しリストラをしたり
めちゃくちゃ苦しんでいます。
そんな大企業にぶら下がっている企業も当然煽りを受けて苦しんでいます。
会社が社員の一生を保証できない時代になり
終身雇用制度のメリットが消えつつあるのに
デメリットだけは脈々と生き続けている。
それが現代の日本です。
なので、勝間さんの本は共感できました。
2016年もそろそろ終わりますが
私達はどういった方向に進んでいくのでしょうか?
未来の事は誰にも分かりません。
ただ、現在予想出来ることを踏まえて
少しでもいい未来に向かっていくことは可能です。
私は競馬ビジネスを教えていますが
それも良い未来に向かっていくための一つの方向性です。
競馬をギャンブルとして捉えるのではなく
ビジネスとして捉えることで、会社の奴隷となる事を防ぐことが出来ます。
この話が貴方の将来を少しでもいい方向へ進めるための一歩となれば幸いです。
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