幻の珍名馬イエスタカス事件!ダッシングブレイズと高須院長の物語…
2025.08.26投稿

競馬の世界には数々の名馬が存在しますが、その裏側には人知れず消えていった「幻の存在」も…。
今回ご紹介するのは、高須クリニック院長・高須克弥氏が名付け親となり、世に送り出そうとした幻の珍名馬 「イエスタカス」 の物語です。
結果的にその馬は「ダッシングブレイズ」という名でデビューし、エプソムカップ2017を優勝するなど、堂々たる成績を残しました。
では、なぜ「イエスタカス」は「ダッシングブレイズ」に変わってしまったのか?
その裏にあるちょっと悲しく、かなり面白いエピソードを紹介します。
馬主高須克弥が考えた「イエスタカス」という衝撃
美容外科医として全国的に有名な高須克弥さん。競馬好きでも知られる彼は、馬主として初の愛馬を持つことに。
そのとき考えられた馬名が「イエスタカス」。
当時、世間では高須美容クリニックのテレビCMが頻繁に流れており、その知名度は抜群でした。
インパクトは抜群ですが、ツッコミどころ満載のネーミング。そんなことはお構いなしでイエスタカスをデビューさせようとしていた高須印象ですが、この名前は JRAの馬名審査を通過できず、あっけなく却下されます。
高須院長、執念のリベンジ申請
この裁定に激怒した高須院長。
- イエスイエスタカス
- イエスタカスイエス
と立て続けに候補を出しましたが、結果はすべて却下。
正直「イエスタカスがダメなら他も当然ダメですよ」と言わざるを得ないのですが、真剣な高須院長は「よくも恥をかかせてくれたな!」と憤慨。馬主引退を示唆するまで怒りをあらわにしました。
ところがJRAの回答は…
ここで話は意外な方向に進みます。JRAから返ってきたのは驚きの回答──
「イエスタカスという名前での申請は受けていません」
なんと、高須院長は申請が拒否されたと思い込んでいましたが、実際には申請そのものが行われていなかったのです。
原因を追及すると、馬を共同で購入したパートナーが、申請を出していなかったことが判明。これにより高須氏は激怒し、最終的にはそのパートナーと絶縁関係になったといいます。
相方の心境を想像してみると…
この愛馬は、二人で それぞれ3,000万円ずつ 出し合って購入した馬。
もしあなたが出資者だったらどうですか?
大金を投じた競走馬に、突然「イエスタカス」と名付けられそうになったら…。正直「ちょっと待ってくれ」と思うのが普通の感覚。
もちろん、相方が黙って申請を見送ったのは問題ですが、「イエスタカス」という名前を無理に押し切られるのが嫌だった可能性も十分考えられますね。
自分だったらどうするのかな?高須院長と五分の立場だったら反対するかもしれないけど、相手の稼ぎの方が多いとか事情があれば、黙って誤魔化す可能性もワンチャンあるかもw
ダッシングブレイズの成績は?
こうしたドタバタ劇を経て、この馬は最終的に 「ダッシングブレイズ」 というイケてる名前でデビュー。ターフに登場して走り始めました。
【ダッシングブレイズ】
父:キトゥンズジョイ
母:Blazing Bliss(母父:オナーアンドグローリー)
競走成績:30戦7勝
獲得賞金: 1億7342万円
主な重賞勝利:エプソムカップ(2017年)
ダッシングブレイズは新馬戦を勝利して、シンザン記念では1番人気に推されます。重賞にはなかなか手が届きませんでしたが、デビューから3年後にエプソムカップを勝利。
見事に競馬史に名前を残す活躍をして引退。乗馬として余生を過ごしています。
もし本当に「イエスタカス」という名前で走っていたら──「第34回エプロン勝ち馬イエスタカス」という歴史が刻まれていたと想像すると、どうしても笑いがこみ上げてきます。
結果的に「ダッシングブレイズ」という名前になって本当に良かった、と心から思わずにはいられません。
そんな高須院長ですが、2025年にタカスタカスタカスという所有馬をデビューさせることが決定。
6750万円で落札した馬ということで、GI・重賞にタカスタカスタカスの名前が刻まれる可能性は十分ありそうですw
まとめ
幻に終わった珍名馬「イエスタカス」。その名前は競馬史に刻まれることはありませんでしたが、こうした裏話も競馬の面白さの一部。
競馬は単なるギャンブルではなく、馬主・調教師・騎手・そしてファン、すべての人の思いが交錯するドラマなのだと改めて感じさせられるエピソードでしたね。