種牡馬リアルインパクトはどんな子供(産駒)を生む?血統に頼らない特徴分析
2019.10.03投稿
2019年の新馬戦がスタートしました。
一昨年はオルフェーヴル、ロードカナロアといった注目種牡馬の産駒がデビューしたものの
昨年はジャスタウェイなどやや小ぶりな印象のありました。
2019年新種牡馬のメンツを見てみると
2017年と2018年の中間くらいのレベルかな、という感じ
ある意味どっちにも振れるレベルで
注目度は近年では一番ですね。
そんな2019年、新種牡馬の特徴と適性を分析していきたいと思います。
今回取り上げるのは、2019年新種牡馬の中で最も実績があり期待されている種牡馬
リアルインパクト です。
リアルインパクトはディープインパクト産駒で2歳時から活躍
2戦目に出走した京王杯2歳ステークスで2着に入ると
朝日杯フューチュリティステークスでも2着に入ります。
年明け初戦となったニュージーランドトロフィーこそ惨敗しますが
NHKマイルカップ3着を経て、安田記念を人気薄で勝利
2勝目がGI勝利という偉業を成し遂げました。
たた、古馬になってからは勢いがなくなり成績が
不安定になりますが、阪神カップを2勝したうえで
オーストラリアで行われたジョージライダーステークスを勝利
得意な舞台では息の長い活躍を見せた馬です。
今回は現役時代のの走りと照らし合わせてうえで
分析して産駒の特徴を挙げていきたいと思います。
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2019年にデビューを予定している他の種牡馬の産駒特徴については以下から確認して下さい。
< はじめに >
一つお断りしておきたいのですが
種牡馬の特徴というと血統に深く入り込んで話をする形が多く見受けられますが
ここでは血統という要素を極力減らして
リアルインパクトという1頭の馬の個性・特徴から産駒の個性を分析しています。
そのような形にした理由は2つあります。
・血統に詳しくない人にも分かりやすく説明をするため
「競馬は血のロマン」という言葉があるように血統は競馬の魅力の一つですが
奥が深いがゆえに、初心者には入りづらいという面があります。
競馬は楽しんでなんぼだと思っていますので「血統分からない奴は予想をするな」
というような排他的な考えは持ちたくなかったので、個性を中心に分析をして
全員が分かるような形で分析を行っています。
・血統のみの分析によるミスマッチを防ぐため
サンデー系の種牡馬が席巻している日本競馬界において
同じ血統や似たような血統は多数存在します。
例えば、ディープインパクトとブラックタイドは父も母も同じなので、
血統面からいえば全く同じ適性の産駒が誕生するはずですが、
実際の産駒特徴は全く異なります。
それはディープインパクトとブラックタイドが全く違う能力で
違う適性を持っているからに他ならないのですが、
血統だけで分析を行うとそういった点を見過ごす可能性が高くなります。
そういった事を防ぐため、ここでは個の特徴を中心にお話をしています。
血統に特化した分析を聞きたいという方は他の方が行っている分析を聞くことをオススメします。
それでは、分析をはじめていきます。
動画でもお話をしているので、動画で見たい方は以下から見て下さい。
動画(工事中)
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< 競馬場、馬場について >
まずはリアルインパクトが現役時代にどの競馬場が得意だったのか?
そして、重馬場は得意だったのか?不得意だったのか?
という点について分析をしていきたいと思います。
リアルインパクトの現役時代の競馬場別成績を見てみると
右回り 【2.1.1.10】
左回り 【2.3.1.8】
東京 【2.3.1.7】
中山 【0.1.1.3】
阪神 【2.0.0.2】
京都 【0.0.0.5】
中京 【0.0.0.1】
海外 【1.1.0.0】
成績を見ると左回りの成績の方が良いですが
走りの内容を見ると左回りが得意というよりも
“パワーと持久力を要するコースが得意”
である事が分かります。
リアルインパクトのベストレースは?
と聞かれると、2011年の安田記念と答えます。
朝日杯フューチュリティステークスでは2着に敗れ
NHKマイルカップでも3着に敗れたように
末脚の切れ味がなく、力で最後まで粘り込むタイプだったリアルインパクト
このリアルインパクトの持ち味が最大限に活きた
「先行押し切り劇」だったと言えます。
このレースぶりから
「パワーを用いての我慢比べが良い」のは間違いありません。
産駒にも、リアルインパクトのこの傾向は引き継がれそうです。
末脚勝負にならない力の要る競馬場
阪神競馬場の非根幹距離や北海道場所を得意とする馬が多くなりそうですね。
逆に京都競馬場では5戦して全敗しているように
直線が平坦なコース、スピード勝負になりやすいコース
このあたりが苦手だったリアルインパクト
この傾向は産駒にも引き継がれそうなので
スピード条件からパワー条件替わり
こう言った条件で狙えそうですね。
馬場に関しても話をしていきます。
リアルインパクトが現役時代に重馬場以下の条件でレースをしたのは4回
2012年 中山記念 3着
2014年 高松宮記念 9着
2014年 安田記念 14着
2015年 ドンカスターマイル 2着
スピードと瞬発力に特化しており、
重馬場が苦手なディープ産駒であるリアルインパクトですが
2014年には既に実力が下降線にあった状態だと考えると
重馬場・不良馬場は苦手でないことが分かります。
稍重馬場も苦手な京都のマイルチャンピオンシップで5着
(2011年、2012年の2回)
が、ある事を考えると
重馬場での戦力アップ
が、期待できます。
< 距離について >
リアルインパクトが活躍したのは短距離(1400m~1600m)でした。
こちらもまずは距離別成績から見ていきましょう。
1300m以下 【0.0.0.2】
1400~1600m 【5.4.1.13】
1800~2000m 【0.1.1.3】
ベストのパフォーマンスを見せた 2011安田記念
2年連続で勝利した 2013,2014阪神カップ
など、マイル前後での強さが際立ちます。
スピードの無いタイプなので、
1200mのスプリント戦では足りない部分を見せています。
リアルインパクトの父親であるディープインパクトは中距離戦を得意としていましたが
リアルインパクトは短距離馬で、ディープインパクトよりも底力はないので
1400mあたりの非根幹距離を得意とした産駒が出てきそうですね。
1400mで力を発揮しそうです。
< 性格、気性面について >
リアルインパクトはパワーと持久力を武器に
力の要る条件で能力を発揮する存在であるという話をしてきましたが、
気性や性格についてはどのような傾向があるのでしょうか?
リアルインパクトの成績を見てみると
絶頂期であった3~4歳時でも、合わない臨戦だと凡走しています。
2歳、3歳春の時は若さでずっといいパフォーマンスを見せていましたが
年齢を重ねるごとに、あっさりとレースを止める時が出てくるので
“気分が乗らないと走らないムラな気性”
を持った馬だと言えます。
そして、負ける時はあっさりと負けていた面を見ると
“勝負根性は弱いの馬”
だとも言えますね。
この「ムラな気性」は
産駒へも継承されそうです。
前走で強い競馬を見せて、人気を背負うレースでは
思わぬ惨敗を喫してしまう可能性を考えておく必要がありそうです。
逆に惨敗から急に巻き返すというパターンも増えてきそうで
穴馬としては面白い存在になりそうです。
< 成長曲線について >
リアルインパクトは2歳秋にデビューして
デビューして2戦目から重賞レースを走り続けた馬です。
(2014年キャピタルステークスだけは例外)
2歳時、3歳時は馬券に絡むレースが多かった事からも
デビュー戦から力を見せたと言えます。
また、古馬になってからは集中力の無さや成績の不安定さを
見せているところをみると
成長曲線は「早熟型」であると言えます。
リアルインパクトの父親であるディープインパクトも
デビューからハイパフォーマンスを見せていたように
「早熟型の血脈」は色濃く受け継がれていそうですね。
長い休み明けで出走してきた場合などは危険度が上がりそうですし
古馬になって突然崩れた、次のレースでは巻き返しが期待できそうにない点など
馬券的にも役立ちそうですね。
< まとめ >
リアルインパクトはパワーと持久力を持っている分
末脚の威力がなく、力の要る条件で活躍した馬です。
産駒にもその傾向は受け継がれそうで
広いコースの根幹距離、平坦コースなどでは狙いを下げたほうがよさそうです。
適性距離は1400~1600m
祖父のディープインパクトが輩出した他の産駒を見る限り
短距離から中距離馬が多く誕生することが期待されます。
気難しい面があるリアルインパクトなので
産駒は人気で出走してきた時などは思わぬ惨敗がありそうです。
また、早熟型で活躍の期間が限られそうなことや
全体的な底力に乏しい面を考えると
リアルインパクト産駒はリーディング上位に食い込むのは厳しいと思います。
「早熟」「パワー条件」「非根幹」「安定感なし」
というキーワードが並んでいるので、
馬券的には攻略しやすい種牡馬になりそうです。
産駒の活躍が楽しみですね。
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